手間をかけて暮らす、時間とともに美しく変化していく家。
日々の暮らしの中で何が重要か?
便利な設備機器や電化製品に囲まれた生活は快適ではあるが、どこかに違和感を感じる。なにも手を加わえなくても勝手に色々やってくれる設備たち、古くなれば新しいものに交換して終わり。今の家の多くも同じく設備化しており、完成した時がピークで自分たちで手を加わえたりメンテナンスをすることもなく、あとは古く汚くなっていくだけである。しかしながら、家をつくる側としてはそうはなって欲しくない、そうならないように色々と考える。
面倒くさい部分に大切なことがあると思う。
暮らしの中では面倒くさいことが多い、家の掃除をする、修理をする、食事をつくる、庭の草木の世話をする、家族と話をする、近隣と交流をもつ、などなど。そうした暮らしの中での当たり前の行動に対して、もう少し丁寧に時間をかけて行うことで、現代のどこか他人任せで無責任で無関心な社会の問題点を少しでも埋めることができるのではないかと思う。
この家は年月を重ねることによって深みと美しさが大きくなっていくような素材選び、そしてまだまだ空間的にも使い方的にも将来手を加えられる様な間取りの構成としている。ある意味、まだまだ建築途中ともいえるかもしれない。
豊かな暮らしとは何か?を模索しながら暮らす小さな家。
- 施工面積
- 74.94m2
- 施工期間
- 40weeks
- 建築地
- 枚方市
- 構造
- 木造
- 施工年
- 2014 年